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広告企画「わたしたちの暮らしとエネルギー」

 便利で快適な暮らしに欠かせないエネルギーについてのトークセッション

「わたしたちの暮らしとエネルギー〜エネルギーの『今』を考える〜」

(宮崎日日新聞社主催、九州経済産業局後援、九州電力協力)は

2月25日、宮崎市の宮日会館で開きました。俳優で気象予報士の石原良純さんと、

NPO法人国際環境経済研究所理事の竹内純子さんが

エネルギーを取り巻く現状と問題点などについて語り合いました。

異常気象、温暖化と密接

 

―なぜ今エネルギーについて考える必要があるのでしょうか。

俳優・気象予報士石原 良純いしはら よしずみさん

1962年神奈川県逗子市生まれ。慶應義塾大学経済部卒業。舞台、映画、テレビドラマなどに多数出演。湘南の空と海を見て育ったことから気象に興味を持ち、1997年気象予報士に。日本の四季、気象だけでなく、地球の自然環境問題にも力を入れている。

 

石原 最近、九州北部豪雨や北陸の豪雪など、過去に例を見ない天気のニュースが増えたと感じませんか。気象庁の定義では、「異常気象」とは30年に1度程度起こる現象とされています。これは人生が60年だった時代に、人生で1度か2度遭遇するレベルの出来事を指していたのですが、最近ちょっと多すぎますよね。異常気象が増えていることには、実は地球の温暖化が関係しているんです。

 

竹内 私は長年、尾瀬の自然保護に携わってきました。ひと昔前は、雪深い尾瀬にニホンジカは生息できないと言われていました。しかし、年々雪が減ってきて、シカが入ってくるようになり、希少植物が食い荒らされるようになってしまいました。

 

―どうして地球の温度が上がっているのですか。

 

石原 地球温暖化の原因は、人間の活動によって発生する「温室効果ガス」と言われています。温室効果ガスは熱を蓄える性質があるので、増えすぎると地球に布団が掛けられたような状態になって、温度が上がってしまいます。

 

竹内 主な温室効果ガスと言えば二酸化炭素ですが、日本で排出される二酸化炭素の約4割は発電時に発生しているんです。だから、地球温暖化は環境問題というより、エネルギー問題なんです。

 

―日本のエネルギーを取り巻く状況はどうなっているのですか。

NPO法人国際環境経済研究所理事竹内 純子たけうち すみこさん

慶應義塾大学法学部卒業。尾瀬の環境保護、農林水産省生物多様性戦略検討委員会などを歴任。環境・エネルギー政策への提言活動に関わり、国連の気候変動枠組条約交渉にも参加。筑波大学客員教授も務めている。

 

竹内 2011年の東日本大震災を契機に、日本のエネルギー事情は大きく変わりました。すべての原子力発電所が止まり、石油や石炭、天然ガスなどを燃やす火力発電所をフル稼働させた結果、二酸化炭素の排出量が大幅に増えてしまいました。また、輸入が増えたことで、震災前に20%前後あったエネルギー自給率はわずか7%になってしまいました。また、石油、石炭、天然ガスなどの燃料のコストが増えたことで、消費者が負担する電気料金も上がりました。

エネルギーのバランス考えて

 

―私たちはどういう視点でエネルギーと向き合えばいいでしょうか。

 

竹内 安全であること(Safety)は言うまでもありませんが、安定して供給できること(Energy Security)、経済的であること(Economy)と環境に優しいこと(Environment)が大切です。これらの頭文字を取って「S+3E」と言います。しかし、残念ながらこれら全てを同時に満たす発電方法はないため、様々な発電方法を組み合わせ、バランスを取る「エネルギーミックス」が大切です。

 

石原 原子力が止まったことで、一時期東京では計画停電がありました。電気がないと生活ができません。原子力は怖い、嫌いではなく、科学的な視点を持ち、エネルギーについて「自分ゴト」のように考えてほしいと思います。


再生可能エネルギーの限界

 

―ここで九州のエネルギーに目を向けてみましょう。

 

竹内 九州の特徴は太陽光や風力、バイオマスなどの再生可能エネルギーの比率が全国平均を大きく上回っていることです。再生可能エネルギーは国産のエネルギーで、発電時に二酸化炭素を出さない点では優れていますが、発電コストが高いのが欠点。再生可能エネルギーの普及を図るため、国が導入した「再生可能エネルギー発電促進賦課金」の負担も年々増えており、これからも増え続ける見込みです。

 

―太陽光発電など再生可能エネルギーだけで全ての電気を賄えるのでしょうか。

 

竹内 安定した電気を届けるためには、「作る量」と「使う量」を常に一致させなければいけないんです。足りなくても余ってもダメ。太陽光発電や風力発電は天候次第で発電量が大きく変わり、この調整ができません。

 

石原 日本の気候は繊細です。だから天気予報も難しい! 太陽光発電や風力発電は「お天気まかせ」なので、電気が足りなかったり、作り過ぎたりしてしまうんですね。

 

竹内 そうなんです。今は他の発電を組み合わせて何とか全体の発電量を調整していますが、それにも限度があります。太陽光発電の電気をうまく使いこなすには送電線の整備が必要ですが、それには時間がかかるので、近い将来、太陽光発電の発電量を制限しなければならないこともでてくるでしょう。

 

―最後にメッセージをお願いします。

 

竹内 世界ではエネルギーがないことで失われていく命や暮らしがあります。一人ひとりがエネルギー問題を身近なこととして関心を高めていただけたらうれしいです。

 

石原 一番身近な自然って何だと思いますか。僕は「空」だと思います。みなさんもたまには空を眺めながら、私たちの暮らしに欠かせないエネルギーのことを考えてみませんか。