第27回宮日出版文化賞決まる


第27回宮日出版文化賞の受賞作

第27回宮日出版文化賞の受賞作

 県内在住者による優れた出版物を表彰する第27回宮日出版文化賞(宮崎日日新聞社主催)の受賞作は「宮崎県の陸生カメムシ」(小松孝寛著、黒潮文庫)▽「声のゆくえ」(曽原紀子著、鉱脈社)▽「宮崎県教育小史〔Ⅲ〕-第一次小学校令から国民学校令まで-」(蛯原啓世著、同)▽「薩摩ことば[加久藤地区]」(白坂安著、同)の4作品に決定した。

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 同賞は昨年1年間の出版物の中で応募や推薦があった51点から、同賞事務局が候補作7点を事前に選定。その後、池上和文(宮崎産業経営大教授)、福田裕幸(県立図書館館長)、後藤徹一(県博物館協議会委員)、宮田香子(木城えほんの郷ブックアドバイザー)の4氏と、田代学・宮崎日日新聞社編集局長による選考委員が審議し受賞作を選んだ。選考理由は次の通り。

「宮崎県の陸生カメムシ」(小松孝寛著、黒潮文庫)

 ともすれば“嫌われ者”になりがちなカメムシに目を向けた視点が面白い。国内の約半数に及ぶ種が本県に生息していることなど、本県の豊かな自然を立証する一冊。

「声のゆくえ」(曽原紀子著、鉱脈社)

 県北の離島を連想させる島で子どもの誕生を支えた高齢の助産師、児童虐待を取り巻く保護者の葛藤、教育現場の実情など、現代のテーマに向き合った短編集。人物描写にも著者の豊かな力量を感じさせる。

「宮崎県教育小史〔Ⅲ〕-第一次小学校令から国民学校令まで-」(蛯原啓世著、鉱脈社)

 明治期から戦前・戦中の本県教育の展開を、丹念に拾い上げた。本県の独立した教育史書として、これからの教育現場にも生かしてほしい価値のある資料。

「薩摩ことば[加久藤地区]」(白坂安著、鉱脈社)

 膨大な方言に加え、迷信・伝説、民間で言い習わされてきたことわざなども収録。方言が地域の暮らしを支えてきたことがよく分かる、古里への愛情にあふれた労作。