県立看護大名誉教授で、長年子育て支援活動に携わってきた花野典子さん(70)=宮崎市清武町池田台=が、自宅を改装した児童発達支援施設「Nursing Home(ナーシング ホーム) ピッピ」を開所した。発達、身体障害のある未就学児と保護者が対象で、重度心身障害児にも対応。花野さんは「施設はこれまでの活動の集大成。障害のある子どもと親を一人でも多く応援していきたい」と意気込んでいる。
花野さんは東京都出身で、1998年に宮崎市の県立看護大に家族看護学教授として着任し、2015年3月に退職。同大学在職中から子育て支援活動を展開し、退職後はNPO法人「子ども虐待防止みやざきの会」の理事として電話相談や講演にも取り組んできた。その中で、障害のある子どもの保護者の多くが子育てに悩み、相談先も限られている状況を目にし施設開設を決意。19年から自宅の改装やスタッフの募集など準備を進め、今年4月に開所した。
施設には保育士や理学療法士らが常駐し、平日の午前10時~午後4時に1日最大5組の親子を受け入れている。おもちゃで遊びながら機能訓練などを行うほか、花野さんらが保護者の悩みや相談に応じる。家族同伴を原則としており、その狙いについて花野さんは「子育ては子どもが教えてくれるもの。親子で遊び、学ぶことで共に成長してほしい」と語る。
2歳の長男と週1回利用している宮崎市村角町、石川明香さん(39)は「明るい雰囲気で相談しやすい。子どもの小さな変化にも気付いてもらえ、成長の喜びを共有できる人が増えたことがうれしい」と話していた。問い合わせは同施設(電話)0985(84)5870。
【写真】自宅を改装した児童発達支援施設で子どもと触れ合う花野典子さん(中央)