西米良村は村民の認知症を早期に把握して適切な処置が受けられるよう対応する「認知症初期集中支援チーム」を本年度から本格稼働している。急速な進行を防ぎ、住み慣れた村内で安心して生活できる環境づくりにつなげたい考えで、認知症に対する理解の啓発にも力を入れる。
同村はコロナ禍で人的交流の機会が減る中、周囲が知らない間に独り暮らしの高齢者らが認知症を急速に進行させていた例などを把握。家族内で患者のケアを抱え込み苦しんでいた例もあり支援強化へチームを立ち上げた。
チームは精神保健福祉士や保健師、作業療法士、生活支援員らで構成。情報を集めて認知症が疑われる村民を訪問し、進行に合わせた医療、介護が受けられるよう支援。関係機関や家族と連携し、住み慣れた村で生活できる態勢も整える。
9月には認知症の症状やフォローの仕方を学ぶ村職員向けの勉強会も開催。村内各種団体、企業向けにも企画していく。村福祉健康課の畠山芳彰技師は「認知症に偏見を持たず、村のみんなで支えられるような環境を整えたい」と話している。
【写真】認知症への理解促進へ西米良村が職員向けに開催した勉強会(村提供)