美郷町北郷の入下(にゅうした)郵便局に、調味料やトイレットペーパー、菓子などの生活用品約20品目を扱う無人販売コーナーが設置された。郵便局に手数料を支払って商品販売する制度を活用したもので、近くに商店などがない住民の買い物支援が目的。九州の郵便局では初の取り組みといい、住民は「とても助かる」と喜んでいる。
入下地区で唯一生活用品を扱っていたコンビニが2020年末に閉店し、住民は約3キロ離れた店まで買い物に行く必要があった。同地区で定住戦略に取り組む「入下ちくせん実行委員会」(坂本浩一委員長)が改善策を協議。メンバーで同郵便局長の中田耕平さん(46)を中心に準備を進め、今月設置が実現した。
商品の仕入れや管理などは同町北郷の商店「てづくり屋北の郷」が担い、設置された料金箱に代金を入れて購入する仕組み。当面の手数料は同実行委が支払うが、今後は持続可能な形を模索していくという。
同地区に住む黒田厚子さん(83)は「郵便局はよく利用しているのでとても便利。調味料が切れたときなどは大変助かる」と笑顔。中田郵便局長は「お客さんの声を聞きながら商品を増やしていければ。買い物を通じ楽しみを提供できる場になればうれしい」と話していた。
【写真】美郷町北郷の入下郵便局内に設置された生活用品の無人販売コーナー