宮崎県木城町の社会福祉法人石井記念友愛社が運営する就労継続支援B型事業所「茶臼原自然芸術館」は、草木染の染料として日本茜(あかね)を利用する取り組みを始めた。栽培や試験的な染色をしており、「将来は製品の一つにしたい」と期待する。
日本茜はつる性の多年草で、本州や九州の山野に自生。赤い根からとれる赤黄色の染料は古くから利用されてきた。ただ、成長に時間がかかる上、染料として使うには多くの根が必要。こうした理由などから、現在は市販されている外国産の西洋茜やインド茜を使う人が多いという。
同事業所では20~60代の障害者24人が藍や桜、マリーゴールドを使った草木染の製品作りなどに携わっている。茜はインド茜を使っているが、友愛社の広い敷地内の山や道沿いに自生する日本茜に着目。2021年から同事業所近くに移植して育ててきた。
昨年12月には根250グラムを煮出して染料をとり、下処理したシルクのストールと綿のハンカチを試験的に染めた。同事業所の職業指導員、川並良太さん(36)は「とても縁起がいい色。継続して染色することができたら」と話している。同事業所(電話)0983(32)4607。
【写真】日本茜の染料で染めたシルクのストール