西都市・西都原古墳群の男狭穂塚、女狭穂塚付近で陸生のヒメボタルが今年も舞い始めた。古代からの遺物と森が淡い光で浮かび上がる幻想的な光景をつくりだしている。
ゆっくり発光する水生のゲンジボタルと違い、山や森にいるヒメボタルは星が瞬くように素早く明滅するのが特徴。「西都原ひめ蛍を守る会」(吉野順子会長)が保護活動に取り組んでいる。
会によると、今年は10日ごろから光の数が多くなり始めた。闇の森に無数の点滅が漂う光景に訪れた人が感嘆の声を上げている。地元の妻中3年長友颯海(そうま)さん(14)は「西都のホタルをもっと多くの人に知ってほしい」と話していた。
車のライトなど光は繁殖に悪影響があるため、19日まで午後7~9時に周辺で交通規制を実施。吉野会長は「ホタルを楽しめる自然豊かな古墳群を次世代につなぎたい」と話している。
【写真】西都原古墳群で淡い光を放ちながら漂うヒメボタル