宮崎市の公立小中学校では、休日や夜間でも緊急事案に対応できるよう、各校に原則1台配備している自動体外式除細動器(AED)を屋外に移す動きが広まっている。2020年から今年4月までに全72校中30校が野外に移設した。市教委は「いざというときは地域の人たちにも活用してもらいたい」と呼びかけている。
緊急事案は運動時に起きやすいことから、市立小中校では運動場やプールまでの距離などを考慮し、保健室や事務室の前など、学校ごとの判断で設置場所を決めている。これまでは例外を除き校舎内に置かれていたため、施錠される夜間や休日は校舎外で緊急事案に対応できなかった。
18年度に国から屋外設置を働きかけるガイドラインが示されたことを受け、対応を開始。市教委は5年リースの切り替え時期に合わせ、各校に設置場所の再検討を促した。結果、全ての学校の更新が済んだ今年4月までに約4割に当たる30校が屋外に移した。
スポーツ少年団や地域のスポーツクラブが休日や夜間に、運動場や体育館を使用することの多い小戸小では4月、校舎内から玄関前に移設した。
移設したことを学校ホームページに掲載したほか、来月は「学校だより」で保護者や地域住民に周知する。濱田常義校長は「これで地域の人たちにも利用してもらえるようになった。緊急時に対応できるよう、使用法も学んでもらえたら」と話している。
【写真】4月に校舎内から玄関前に移した小戸小の自動体外式除細動器(AED)