都農町で地方創生に関する事業を展開する「イツノマ」(中川敬文社長)が、同町福原尾に宿泊施設「まちづくりホステルALA(アラ)」を開業した。同社は都農高跡地利用の基本計画や町グランドデザイン策定、二酸化炭素(CO2)排出量の実質ゼロに向けた戦略立案など、町の重要施策に関わるプロジェクトを受託。ALAはまちづくりに関心のある人を町内外から呼び込む拠点と位置付け、同社のプロジェクトに関するアイデアを交流しながら共に考案し、地域活性化につなげる狙いもある。
敷地面積は約5千平方メートルで、空き家2棟をリノベーションし、ホステル棟とハウス棟で構成。全12室のホステル棟は9月中旬に稼働し、ドミトリーや和室のほか、創作活動のためのアトリエルームもある。チェックイン・アウトは無人で行い、中長期滞在を念頭にワークスペースや共用キッチンを完備。ハウス棟には研修用スペースがある。
同社はALA開業に合わせ、国内外の参加者が交流し同社のプロジェクトに参画するオンラインコミュニティー「まちづくりカレッジ」、町内の若者がALAに集まり町の未来を語り合う定期開催のイベントをスタート。今後は同町の現状や課題、可能性について探るスタディーツアーなども計画している。
こういった取り組みは進行中のプロジェクトに参画する機会にもなり、同社は、地方創生に関わる仕事や移住に関心のある人が同町を訪ねる動機になるとみている。同社執行役員でALAの吹田あやか支配人は「関係人口を増やすのが大きな目的。外部から常に刺激やアイデアを得つつ、都農の人を中心とした面白いまちづくりを進めたい」と話す。
【写真】空き家を再生してイツノマが都農町に開業した「まちづくりホステルALA」