西都市・西都原古墳群の男狭穂塚、女狭穂塚付近で陸生のヒメボタルが乱舞し、古代からの遺物と森が淡い光で浮かび上がる幻想的な光景をつくりだしている。8日には保護に取り組む地元団体が観賞会を開催。家族連れらが生態について理解を深めた。
山や森にすむヒメボタルは、ゆっくり発光する水生のゲンジボタルと違い、星の瞬きのように素早く明滅するのが特徴。「西都原ひめ蛍を守る会」(吉野順子会長)によると、同市では今月10日過ぎにピークを迎え、20日ごろまで楽しめそうだという。
西都原ガイダンスセンター「このはな館」前であった観賞会では、生育の要件や保護のための植樹などの取り組みを学識者らが解説。参加者約30人は午後7時過ぎに生息地に向かい、闇の森に無数の点滅が漂う光景を前に「きれい」「こんなホタルは初めて」と感嘆の声を漏らしていた。
車のライトなどの光は繁殖に悪影響があるため、20日まで午後7~9時、同会などで交通規制を実施。観賞には同館の駐車場利用を呼びかけている。吉野会長(57)は「西都、そして宮崎の宝として守り、次代に残したい」と話している。
【写真】西都原にすむヒメボタルの生態についての解説などがあった観賞会