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「宮日世相まんが」の第35回年間賞で最優秀賞を受賞した 久米田幸志(くめだ・こうじ)さん

2024年12月8日
 米大統領選で起きたトランプ氏銃撃事件を題材に、鋭い視点で描いた「大統領への切り札」。「王道で勝負したかった」と、トランプカードになぞらえたシンプルな構図がゆえの力強さとメッセージ性が審査員をうならせ、満場一致で初の最優秀賞を射止めた。

 創作の原点は少年時代。教科書やノートにキャラクターや偉人を落書きし、友達と「交換日記」ならぬ「交換漫画」を作って遊んだ。藤子不二雄や宮崎駿作品を模写して学んだ線のタッチや影の付け方は、現在も自身の絵に生かされている。

 長男がソフトボールを始めたのを機に「自分も何か挑戦してみよう」と始めたのが「宮日世相まんが」への投稿。2015年の初投稿以来50作品以上が掲載され、22年に年間賞の努力賞を獲得した。

 作品を最初に見せるのは家族。「顔が似てない」「意味が分からない」と厳しい意見も多いが、見る人が瞬時に理解できるかどうかを測る貴重な反応。「優しすぎても激しすぎても駄目。毒や裏の部分をどこまで出せるかのせめぎ合い」と試行錯誤の日々が続く。

 不動産の鑑定評価などを行う会社で取締役を務め、毎日昼食後の散歩中にぼんやりと題材を吟味。職場のロビーには日の目を見なかった作品が飾られ「掲載されるとみんな一緒に喜んでくれる」。

 昔から物事を斜めから見る性格といい「厳しくツッコミもするけれど、それだけあなたを熱心に見ていますよ、という証拠。普段は平和主義者です」と笑う。長男は鹿児島の大学に進学し、宮崎市糸原に妻、長女と3人暮らし。51歳。

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