地方に生きる若者たち一人一人に投げ掛けるように丁寧に言葉を紡いだ。「若者の未来を掲げる候補者がいない。だからこそ、自分たちの手で変えないといけない」。候補者は若者の投票率が低いため、積極的な政策を打たないのではないか。もっと投票に行き、若い世代の存在感と意見を示すべき-。5分間のスピーチに「新有権者」としての思いをぶつけた。
県内の若者が政治や選挙について感じたことを発表する「わけもんの主張」で最優秀賞を受賞した。「手応えはなく、緊張した」と謙遜するが、聴衆を見渡しながら伸びのある声で堂々と自分の意見を伝え切った。
20歳になり初めて参加した昨年12月の衆院選で、投票率が過去最低だったことに驚いた。「今の20、30代が50代になったとき投票率はどうなってしまうのだろうか」。こうした懸念が選挙について考えるようになったきっかけだった。
大学の友人は就活への不安を口にする。「2年生でも心の余裕がない。アベノミクスの影響は地方には届かず、就職は狭き門」。将来の日本を担う同世代の若者が夢を持てない現状を、政治に変えてほしいと望む。
話すことが何よりの趣味。宮崎北高時代に放送部に所属し、アナウンス部門の県大会で優勝した実績もある。「話すことで人の役に立ちたい」。将来の夢はアナウンサーという。
「女子会でも選挙の話題をしたい」と継続して投票の大切さを若者に伝えると誓う。宮崎公立大人文学部2年。国富町本庄で家族4人で暮らす。(報道部・前田隆明)