県内13JAの女性部員約1万4千人のトップに立った。「少子高齢化が進む中で地域の絆が一層求められる。みんなで一緒に手を取り合って活動できる女性組織を目指したい」。穏やかな口調ながら、言葉の端々に責任感がにじむ。
29歳で農家に嫁ぎ、義母の勧めで女性部に参加。娘3人の子育て真っ最中だった45歳の時には、若手女性で立ち上げたJAはまゆう女性部フレッシュミズの初代会長に就いた。「農作業や育児などに追われる中で女性同士で互いに支え会い、仲間づくりの大切さを学んだ」という。
同JA女性部副部長を経て、2012年から部長に。部員拡大に向けて独自にパンフレットを作成し、子ども向けの伝承料理教室に力を入れるなど活動の幅を広げてきた。「組織を次代につなげていくためには、加入推進や食育の活動が鍵を握る」と力を込める。
昨年12月には全国の女性協議会の仲間とインドを訪問。JAグループの支援でマッシュルーム生産を成功させ、自立心が芽生えた女性農家を視察した。「協同の力ってすごいと思った」 1992年に夫の勲さん(57)と南郷町で初めてマンゴー生産に取り組み始めた。当初は苦難の連続だったが、仲間と共に先進地視察を重ねるなど栽培技術を向上。「手を掛けた分だけ報われる」という農業の魅力を知ることができた。
「静かなのは苦手。酒席では歌や踊りで盛り上げるタイプ」。休日は花壇づくりや山登りを楽しむ。日南市南郷町潟上で夫、次女と3人暮らし。57歳。(報道部・小谷実)