みやざきアートセンターが募集した「椿の絵手紙コンテスト」。宮崎市と国富、綾町の住民らから寄せられた166点の中から、市長賞に選ばれた。「数日は受賞が信じられず、ほっぺたをつねろうかと思ったぐらい。驚いた両親が、電話やメールで親戚に知らせていた」とほほ笑む。
日南市出身。脳性まひのため生まれつき四肢が不自由で、日南養護学校(現日南くろしお支援学校)に入学。「絵の具を混ぜた時に、予想もしない色が生まれる瞬間が楽しかった」と、小さいころから絵が好きだった。油津中などを経て宮崎市の赤江まつばら支援学校で学ぶ現在も、時間が許せば絵筆を握る。
同センター3階交流サロンに展示されている受賞作は、水彩絵の具と岩絵の具で描いた。「書道の授業で学んだ」という「にじみ」を効果的に使い、赤い花と緑の葉を見事に表現。審査員を務めた片岡鶴太郎さんからは「にじみが素晴らしい」と高い評価を得たものの、本人は「一緒に描いた同級生の作品もすごく上手で、誰が選ばれてもおかしくなかった」と照れ気味に謙遜する。
得意科目は英語。英検は準2級を取得しており、さらに深く学ぼうと、4月からは同市の南九州短大に科目等履修生として通う。「2020年の東京オリンピックで通訳ボランティアをすることが夢」。絵と、以前から親しむ書は趣味で続けるつもりで、「人がどう評価するかは考えず、自分の感じたままを表現していきたい」とも。
宮崎市の自宅で両親と暮らす。18歳。
(文化部・成田和実)