県弁護士会に登録した2000年、会員数は50人ほどだった。現在は130人に増えたが、「高齢者や障害者など、地域性以外の問題で弁護士へのアクセスが困難な人もいる」。県弁護士会会長に1日就任し、任期は1年間。憲法問題などへの提言活動に意欲を見せる傍ら、そうした法的援助を求める人にも支援が行き届く環境整備に力を注ぎたいと意欲を見せる。「福祉関係団体など他機関とも協力していきたい。終わりはなく、やれることをやっていく」
弁護士を志した理由は「自己責任で、やりたいように仕事ができる自由業への憧れがあったから」だ。東大法学部を卒業後、1998年から2年間の司法修習は本県で受けた。「飲みに連れて行ってもらうなど、先輩弁護士に大切にしてもらった」。そうした経験も、法曹三者の中で現在の進路を選ぶきっかけになったと振り返る。
企業の倒産、破産事件を手掛けることも少なくない。そうした中、「民事再生がうまくいった時、達成感を感じる」。現実的な判断を基に、再建計画を立てて債権者と交渉を進めていく。従業員の雇用が守られる意味では、会社を存続させることに社会的な意義がある。県内の会社には、従業員の雇用を守りたいとの一心で奮闘する経営者も少なくない。「その手助けをできるのも、弁護士だから」と考えている。
趣味はスキューバダイビング。「無重力のような状態で、何も考えずに済むところが魅力」。毎年、沖縄の離島や海外などへ出掛けている。都城市出身で宮崎市在住。42歳。
(報道部・岩永貴宏)