中学教諭や宮崎市教育長などとして30年以上義務教育の充実に力を注いできたが、大学教育に携わるのは初めて。宮崎公立大の5代目理事長に就き、「人を育てるという柱は義務教育と変わらない。学生が自己実現を図るための手助けをしたい」と穏やかな表情で話す。
歴代理事長は市幹部からの就任が続いており、久しぶりの教員出身者。「学校づくり=地域づくり」と考え、地域貢献できる人材の育成を推進する。一方でグローバル化にも対応するため、学生には多様性も求める。同大学が力を入れるリベラル・アーツ(教養)教育を生かし「専門性を深めるだけでなく柔軟な知性も身に付けてほしい」。
また、同大学の過去のセクハラ問題とも向き合い、引き続きハラスメント対策を徹底する方針だ。
中学の理科教諭を経て1992年に県教委へ。2006年11月から宮崎市教育長を1期4年務め、行事やボランティア活動などを通じた学校と地域の連携強化を推し進めた。少子化などの影響で大学経営を取り巻く環境は厳しさを増し、今後は学生の確保など生き残りを懸けた大学運営も求められるが、「人づくりに関わり続けることができて恵まれている」と笑う。
休日は、孫2人を連れて文化施設などに出掛けるのが楽しみ。「子どもが発見するものや発想が面白い」。好きな曲はビートルズの「レット・イット・ビー(あるがままに)」で、職場の人物評も「自然体で気負わない人」で一致。宮崎市柳丸町で妻恵子さん(58)と2人暮らし。66歳。
(報道部・菅野健太)