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県高校野球連盟理事長に就任した鬼島秀晃(きじま・ひであき)さん

2015年4月16日
 「(歴代理事長に比べ)実績もけん引力もない。微力ながら皆さんの協力の中でやらせていただく」。加盟49校の監督らを前にしての就任あいさつは控えめ。実直な性格がにじみ出た。

 ただ、しんは強い。批判もある中で来春からの審判員の原則65歳定年制導入を決めたのはその表れ。審判長を5年務め直面した一般審判員の高齢化や人員確保などへの打開策だ。各校の部長らが試合で審判を務めるケースは増えるが「危機感を共有し厳しい状況を支え合いたい」。個々が主体的に行動する事が組織の発展につながると信じる。

 宮崎市出身で宮崎大宮高野球部では県大会8強が最高。「指導者として甲子園に行く」という夢を抱き1998年、赴任3校目で母校の監督に。2001年夏の県大会では、神内靖ら前年の甲子園メンバーが多数残る延岡学園を破るなど、幾度も波乱を演出した。

 「高校野球は教育の一環」。26年間の指導者人生で頂点には立てなかったが、野球を通じての人間形成は怠らなかった。小林高教諭だった09年夏、甲子園へ観戦に行った際、関西で台風による豪雨災害が発生。急きょ予定を変更し、部員と被災地でボランティア活動に汗を流した。元理事長の松元泰さんも「細かい事に気配りができる教育者」と評する。

 時には生徒の分の弁当まで作るなど、長年にわたって自分の仕事を理解し、協力してくれた妻・光希子さんには「頭が上がらない」と照れる。その妻と長女と宮崎市下原町の自宅に暮らす。佐土原高教諭。55歳。(運動部・高橋正一郎)

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