組合員約5万人を有する8森林組合で組織する県森林組合連合会の会長に就いた。「中山間地の活性化には中心産業である林業を盛り上げることが不可欠。林業に従事する人材育成など振興策にまい進したい」と意欲を見せる。
中国木材が日向市竹島町で進めていた日向工場の第1期工事が3月に完了。県森連は国産材で国内最大の規模を誇る同工場への原木供給の役割を担う。「本県林業にとって大事な時期。林業関係者が一体となって安定供給を図り、利益を山側に還元できる体制づくりに努めたい」と、豊富な森林資源を有効に生かす方策に思いを巡らす。
1980(昭和55)年に旧諸塚村森林組合入り。8組合が合併した耳川広域森林組合が2000年に発足した後は諸塚支所長、参事を歴任し、10年から組合長。組合に携わってきたこの35年で、木材価格はピークの1立方メートル当たり3万5千円から3分の1以下の1万円前後に落ち込んだ。輸出増加などで回復傾向にあるが「生産現場の後継者不足はかなり深刻。このままでは山が守れない」。
同組合では伐採や造林などを行う作業員をインターネット専用サイトで募るなど担い手確保に知恵を絞る。森林所有者の高齢化で伐採、搬出作業を組合に委託するケースが増えており、「組合員から頼られる組合でありたい」と語る。
趣味は短歌を詠むことで、「31文字に情景や心情が詰まっているところが魅力」。本紙の文芸欄を毎週楽しみにしている。諸塚村七ツ山出身。60歳。(日向支局長・小谷実)