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NHK宮崎放送局長に着任した 渡辺吏(わたなべ・つかさ)さん

2015年7月19日
 31年前、東京大が初めて箱根駅伝に出場したときの2区走者。フルマラソンのタイムは、53歳の今も3時間を切る。スポーツ王国の宮崎で初の放送局長になり、「走る局長です」と自己紹介する。

 1984(昭和59)年、入局。営業畑を歩み、単身赴任者や学生の受信料を減額する家族割引率の拡大や、事業所の2契約目以降を半額にする制度の導入に携わってきた。受信料の確保といった営業活動が組織の財源を支え、質の高い番組制作につながる。「プライドを持って仕事をしてきた」と振り返る。

 広島市で昨年土砂災害時が起きた際は、広島放送局の営業推進部長として、市民生活に欠かせない情報を提供するライフライン放送を制作した。台風や噴火、地震など自然災害への懸念が強い本県でも「防災、減災に役立つ情報をいつでも流せるよう準備したい。県民の安全安心を守る拠点を目指す」と気を引き締める。

 就任して1カ月余り。視聴者との距離の近さを感じている。宮崎の人や自然、食の魅力を紹介する地域に密着した番組作に力を入れ、「国際放送も使って世界に発信できればいい。口蹄疫を経験した宮崎が今以上に元気になるよう応援したい」

 車は持たず、移動手段はバス、列車、そして自慢の足だ。「県内のいろいろな地域を走りながら土地の空気を感じ、人と関わりたい」。青島太平洋マラソンにはもちろん挑戦するつもり。東京都の自宅に妻と2人の子どもを残し、単身赴任。松山市出身。(報道部・菅野健太)

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