ホーム ひと

全国高校野球選手権宮崎大会で優勝した宮崎日大野球部監督 榊原聡一郎(さかきばら・そういちろう)さん

2015年7月29日
 元プロ野球選手で昨年8月に母校の監督に就任。1年目でいきなり、チームを18年ぶりに聖地へ導いた。「勝てない中でも必ず結果が出ると信じ、選手は苦しい練習に付いてきた。本当にうれしい」と、ナインの頑張りを笑顔でたたえた。

 就任し、ユニホームの色をそれまで基調だった紺から、プロ時代の大半を過ごした広島の赤に変えデザインも一新。「いつもいいところまでいくが、もう一歩で甲子園に届かない。根本的なことから変えていこうと思った」 野手、投手ごとに練習メニューを細かく作り、事前に配るスタイルは、プロ野球のキャンプのようだ。1日20キロのランニングなど猛練習を課す一方、雨の日は全員で映画を見ることも。一見野球とは関係なさそうだが「感受性を高め、相手の気持ちが分かるようになってほしい」との思いで名作に触れさせる。

 強打の内野手で鳴らし、1981(昭和56)年に同校からドラフト2位で広島へ。2軍で本塁打王を取るなど結果を出したが、1軍初打席は8年目という苦労人。その時、今は亡き父欣哉さんから「1軍に上がったことより、お前が8年間腐らずにやり続けてきたことが一番うれしい」と言われた。日陰の時代が長かった分、裏で支える人の気持ちも分かる。この日もベンチ外の選手に話が及ぶと、人目をはばからず涙を流した。

 学校では常勤事務員。宮崎市恒久の自宅に祖母、長男との3人暮らしで、今年の夏には広島から妻と2人の娘も呼び寄せる。趣味は練習後に向かう夜釣り。52歳。(運動部・高橋正一郎)

このほかの記事

過去の記事(月別)