「後期高齢者が賞をいただき、大きな喜びを感じるとともに恐縮しています」。受賞者を代表して臨んだあいさつでは、ユーモアを忘れることなく喜びを表現した。
あたかも祭りのように、揚々と7月の参院選に向かう自民党幹部を「夏がくる、アベノミウチがゆく。」と題して描いた。「雰囲気が読者に伝わるか不安で自信はなかった」というが、特徴を捉えた似顔絵は選者に「抜群」と評され、満票で年間最優秀賞に選ばれた。
「有名な人を描けば面白みが読者に伝わりやすい」と、政治をテーマに据えた作品が得意。風刺を込めたくなるニュースが多くネタには困らないが「笑ってもらうことや楽しくなってもらうことが基本。政治家個人の欠点や弱点には触れない」よう心掛けている。
絵を描き始めたのは航空大学校を定年退職後、絵画教室に通い始めてから。宮日世相まんがは投稿を始めてまだ4年だが、今では「枕元にノートとペンを置いて眠る」ほど夢中。
「政治や新聞、ニュースに触れる時間が増えて世界が広がった。心の豊かさとは何か、人生の終盤になって自分なりに実感している」と情熱は増すばかり。「一目で『桑田の作品』と伝わるような画風を確立したい」と飽くなき追求を誓う。
宮崎市江南に、妻靖子さん(75)と2人で暮らす。投稿前には作品を見てもらうのが決まりで「身内ならではの辛口コメントに助けられている」。近くに住んでいる次女家族と夕食を囲む日常が楽しいという。都城市出身。77歳。
(報道部・矢野太輝)