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第10管区海上保安本部初の地域防災対策官 黒木 克也(くろきかつや)さん

2013年12月29日
 地域防災対策官は、東日本大震災を受けて2011年度から全国の海上保安部・署に設置された。全国に31人おり、本県、熊本、鹿児島県を管轄する第10管区海上保安本部には日向海上保安署にただ一人。日向市で生まれ、11歳から都農町で育ったこともあり「一人でも尊い命を守ることができたら」と自ら希望した。

 地域防災対策官の仕事自体「前例がなく手探り状態」。それでも、地域の関係機関とのパイプ役となり、地震津波対策を強化することを目指しており、「経験豊富な先輩方や住民の皆さんとできることから進めていきたい」と意気込む。

 12年10月に着任後、手応えを感じたのは県北部観光船組合と作成した津波対策マニュアル。同組合から相談を受け、一緒に協議を重ねた。乗客を避難させる方法などを13年9月にまとめ、初めて訓練も行った。

 避難先を陸にするか沖にするかは、津波が来るまでの時間やその時の海の水深、地形、船の能力などで違う。「正解がない。だからこそ軸になる考え方をみんなで考えられたことは財産。1人ではできない」 好きな言葉は「無事これ名馬」。特別俊足でなくても、最後までやり遂げることに重きを置く。「熱く真面目で爽やか」と上司の信頼も厚い。

 趣味は釣りだが、家族の評判は「餌をやるだけだからやめなさい」と芳しくない。楽しみは都農町時代の仲間と今も続く飲み会。小学校時代の同級生の妻、長女(11)、長男(9)との家族キャンプは毎年恒例となっている。日向市在住。38歳。(報道部・堀口佳菜子)

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