佐土原初代藩主の島津以久公が鹿児島県垂水市から佐土原城に入城して来年410年になるのを記念し、来年2月9~11日に宮崎、鹿児島両県で行われる記念事業の実行委員会委員長に就任した。「佐土原藩の歴史を広く知ってもらうために盛り上げたい」。地元の有志約20人の委員と力を合わせ成功を目指す。
延岡市に生まれ、大学進学で上京。卒業後は東京の銀行に就職するも半年で帰郷し、中学教諭に転身した。旧佐土原町の広瀬中校長を最後に定年退職した。
教職員互助会を通じて続けた仕事を68歳で辞めると、「培った経験を地域のために生かしてほしい」と自治会活動に誘われ、2003年に西野久尾地区自治会長に就任し地域発展のため尽力。
「佐土原には戦国から江戸時代にかけての史跡が数多い。これを生かさぬ町おこしはない」。2008年には佐土原小学校区地域づくり協議会会長として、同校児童や地域住民と史跡巡りバスツアーを実施。また、昨年は関ケ原の戦いで戦死した佐土原城主・島津豊久を語り継ごうと「島津豊久公を顕彰する会」を発足させ、他県の関連団体とも交流を深めている。
「記念事業では橘通りを武者行列が練り歩く。佐土原の魅力をアピールしたい」と意気込む。
自治会員らには「相談に乗ってくれる人情味あるリーダー」と人望も厚い。「80歳も超え退きたいが、仕事は増えるばかり」と苦笑い。言葉とは裏腹に瞳はきらきら輝いている。宮崎市佐土原町上田島の自宅に妻(77)と暮らす。81歳。
(報道部・中村和彦)