歴代大会の最高得点者で競う第39回宮日杯吟詠コンクール大会「最優秀吟士の部」で頂点に立った。「応援し支えてくれた家族や、通っている稽古場の仲間たちに感謝したい」。表彰式を終えると、ほっとした表情を見せた。
選んだ吟題は、平家・平敦盛の哀話を詠んだ松口月城の漢詩「青葉の笛」。昨年、全国大会で上位入賞した際にも吟じた作品で、「自信をもってコンクールに臨めた」。ただ、2分の制限時間を超えてしまい、「尺八の生演奏についつい気分が良くなってしまった」と苦笑いを浮かべる。
鹿児島県伊佐市出身の22歳。幼い頃から詩吟は暮らしの中心にあった。詩吟教室を開いていた祖父母らに手ほどきを受け、4歳年上の姉夏代さんと共に数々の舞台を踏んできた。今も週に1日、宮崎市内の稽古場に足を運ぶ。
3年前、宮日最高吟士の座に上り詰めた姉は、全国の若手ホープでつくる「吟詠スーパーチーム」のメンバーで、尺八や琴、三味線など和楽器と共演するなど多彩な活動に取り組んでおり、「雲の上の存在」だと言う。姉の背中を追いつつ、自身も「詩吟にアカペラを取り入れるなど新しい詩吟の形を探りたい」と意欲を示す。
宮崎大大学院工学研究科で光化学を学ぶ”リケジョ”。「大好きな詩吟をやってるからこそ生活にめりはりがつき、勉強に対するモチベーションも上がる」という。最高吟士として臨む来年大会は就職活動の年。「居心地のいい宮崎で就職できるのが理想」と話す。同市在住。