地元延岡を代表する商店街「山下新天街」は、物心がついたころにはすでにシャッターが目立ち、人通りも少なかった。「高校生のアイデアや行動力で、にぎわいを取り戻したい」。活性化に向けた取り組みを宮崎市であった九州大会で発表し、優秀賞を受賞した。
所属3年目の流通経済部は「地域貢献」が活動テーマ。コンビニ会社と共同で商品開発もした。本年度の部員6人は、山下新天街などにある飲食店の魅力に着目。延岡商業高生徒がインターネット上で運営するショッピングモールを利用し、こうした店の情報を発信しようと決めた。
掲載店舗を求めて交渉に向かうと、1軒目であっさりと断られた。「約束なしで訪問したのが失敗。趣旨説明もうまくできなかった」。反省を生かそうと、ビジネス実務の教科書を読み込んで交渉術を学び、部員同士で模擬訓練。次第に交渉をスムーズに進められるようになり、最終的には12社と契約を結ぶことができた。
商店主の「新しい客を集めたい」という意見を聞き、7月には山下新天街周辺でものづくりをテーマにしたイベントを主催。「こんな楽しいイベントが増えれば、街に出掛けるようになる」。参加者からの喜びの声に「課題解決の糸口が見えた気がする」という。
全国大会は11月、さいたま市で開催。表情や手ぶりなど、審査では表現力も求められ、部員一丸で準備している。一方、現在は就職活動の真っただ中。地元小売店志望で、「地域住民と近い距離で触れ合い、笑顔が見たい」。延岡市長浜町。18歳。