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第30回宮日茶の間賞で特選に輝いた 福畑ケイ子(ふくはた・けいこ)さん

2019年11月22日
 退職後に再び職を探し、社会貢献できる喜びをつづった「もう一度輝きたい」で特選に。「茶の間に賞があることも知らなかった。受賞の知らせにびっくりした」と振り返る。

 男性社会の建設業で事務として約20年間働いた。自分の時間を持ちたいと4年前に退職したが、何か物足りない。「仕事が生きがいだったんだ」と気付いた。

 作品では「現役時代に比べ、今は華やかさは足りないかもしれないが、年を重ねたからこそ発揮できるものもある」と仕事を通して再び、人生が充実してくる様子を伝えた。

 社会復帰のきっかけは昨年、高台にある自宅の庭で洗濯物を干していた時。眼下の国道をせわしなく行き交うトラックや通勤者が生き生きと輝いて見えた。「自分は何をしているんだろう」。すぐにハローワークを訪ね、温泉施設の清掃の求人に申し込んだ。

 3年前に他界した母・ツル子さん(享年89)は、地元でも評判の掃除好き。自身も「遺伝かな?」と思うほど何でもピカピカにしないと気が済まない性格だ。「こんなに楽しい仕事があるなんて。まさに天職」と笑顔を見せる。

 ネタがあると、食卓にあるA4のコピー用紙に書き留め、2~3カ月かけてじっくり執筆するのがスタイル。42回目の結婚記念日と贈呈式が偶然重なり、「最高の記念になった」。いつも添削し、アドバイスをくれる夫・己喜男(みきお)さん(67)への感謝を忘れない。

 「受賞のほとぼりが冷めたらまた書こうかしら」と冗談めかす。日向市在住。4人の孫の成長が楽しみな65歳。

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