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主婦から弁護士になった 河合祥子(かわい・しょうこ)さん

2019年12月1日
 家族が暮らす東京と行き来しながら、宮崎市の弁護士事務所を拠点に働く。司法試験に合格したのは50歳。結婚、育児を経て、新たな人生のステージを力強く歩み始めた。「経験を社会に還元し、女性の再チャレンジを応援したい」と目を輝かせる。

 宮崎西高、東京女子大を卒業後、大学院に進学。大学教員になる夢があったが、結婚を機に「家族の生活を支えたい」との思いも芽生えた。悩んだ末に博士課程進学を諦めた。

 子どもは3人。一番下の子が学校に通うようになった頃、転機が訪れる。40歳を過ぎ、「自分の人生」を見つめ直すようになると、働くことへの思いが募った。年齢を問わず挑戦できて手に職を付ければ、家庭とも両立できる…。頭に浮かんだのが、弁護士だった。

 夫や子どもは驚いたが、一念発起。子どもと一緒に勉強机に向かい、45歳で法科大学院に合格。入学後も家事と勉強を両立させ、2017年に司法試験に合格した。

 司法修習後は、大学院の先輩で受験勉強を教わった”先生”でもある高山桂さん(30)と現在の事務所を立ち上げた。「自分の裁量で時間を調整でき、仕事も場所を選ばない」。家族が待つ東京にも頻繁に帰り、家庭も仕事も大切にしたいという思いも実現させた。

 新しい生き方を理解し応援してくれる家族への感謝は尽きない。仕事か家庭かという二者択一は、時代が変わっても多くの女性を悩ませる。「多様な生き方が認められる社会になるよう、少しでも力になりたい」。宮崎市出身、52歳。

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