中国の専門家として北京や香港の在外公館などで勤務し、外交官のキャリアを重ねてきた。外務省中国・モンゴル第1課地域調整官から山東省の在青島日本国総領事館トップに16日赴任する。「中国経済、社会のダイナミックな変化、発展を再確認してきたい」と意欲を口にする。
えびの市出身。飯野中、小林高から九州大経済学部に進学し、3年間は登山に没頭した。4年で将来を考えた時に「日本の未来のためにはアジアの平和と安定が必要」と外交官を志した。
初の在外勤務となった在北京日本国大使館時代は忘れらない。1989年6月に天安門事件が勃発。「書記官として情報収集や留学生ら邦人保護のために現場で走り回った」
30代に経験した本省の無償資金協力課では、学生時代から関心のあった途上国支援で政府開発援助(ODA)も担当。アフリカや南米で大臣らと意見交換し、農村でも生の声を聞いて協力の在り方を模索した。
山東省は人口1億人を超え、域内総生産(GDP)は国内3位。日向市と?坊市をはじめ、30超の自治体が日本と友好都市関係を締結し、青島市も今年6月、宮崎市と経済協力パートナーシップを結んだ。「対日感情は非常に良く古い文化や伝統もある。日本との経済や文化、人的交流を活性化させたい」
あらゆる分野で世界への影響力が大きい中国。「東アジア、世界における中国の立ち位置も意識しながら日中関係発展へ役割を果たしたい」。妻と1男1女。59歳。