26年前に投稿を始め、掲載された作品は260点。原画と掲載された紙面を切り抜いて貼ったスクラップブックは6冊目になった。「こんなに続くとは。ライフワークに近いものになっている」
もともとは一読者として楽しんでいた世相まんが。子どもの頃から絵が好きだったため、挑戦したところ、初投稿作が採用された。
掲載されるとめったに連絡を取らない友人からも電話が来るように。「載らなくても『なぜ載ってないんだ』と連絡があった」。以来常連となり、年間賞の受賞者と一緒にゴルフに出掛けるなど、交友関係も広がった。
「ただ批判するだけでなく、比喩したり、変な格好をさせたりして皮肉ってみたい」。7年ぶり3回目の最優秀賞受賞作は「ここは白色じゃないな…。」。日本が輸出管理の「ホワイト国(優遇対象国)」から韓国を除外した措置をテーマに、ベレー帽をかぶって地図に色を塗る安倍晋三首相を登場させた。
毎月末に掲載される世相まんが。「掲載時にできるだけ新鮮なネタを」と、毎月20日の締め切り日ぎりぎりになってテーマを決める。絵が説明調にならないよう、コメントや数字をできるだけ入れないのもこだわりだ。
小、中、高校と美術部に在籍し、特に好きなのは人物画。友人や知人に頼まれ、結婚式のウエルカムボードや退職のお祝いなどに似顔絵を贈ることも。
「斜めから見る癖が付いて人間がゆがんでしまった。もっと真っすぐな性格だったんだけど」と笑う。宮崎市江平中町に妻正代さん(65)と2人暮らし。71歳。