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サーフィン専門スポーツドクター 小島岳史(こじま・たけし)さん

2019年12月31日
 来年の東京五輪で初めて行われるサーフィン競技。選手らの治療などに当たる医師の一人として参加する。宮崎市の木崎浜で今年9月にあったサーフィンの世界選手権「ワールドゲームス」では医療チームを編成し、大会を支えた。「いつか日本代表のチームドクターとして活躍したい」

 福岡市出身で学生時代はサッカーに熱中。プロサッカーのチームドクターに憧れ、整形外科医を志した。サーフィンとの出合いは、進学した宮崎医科大(現宮崎大医学部)の2年時。アルバイト仲間からもらったボードで波に乗った。大波を滑る感覚、自然の中で身も心も洗われる体験は忘れられず、卒業後も宮崎に残った。

 サーフィンに付きものの慢性的な腰や首の痛み、切り傷などのけがに、適切に対処できる医療体制が整っていないと感じていた。

 「医者が『サーフィンをやめなさい』と言えば、病院に来なくなるだけ。競技を知らないと、痛みの原因特定や助言も難しい」

 勤務先の野崎東病院(宮崎市)に完全予約制のサーフィン外来を提案。今年4月に開設され、毎週月曜日、不安を抱える患者たちと向き合っている。 米国・ハワイ、南アフリカ、種子島など国内外で波に乗った。その経験からも多様な波が立つ「宮崎のサーフィン環境は世界有数」。

 ほぼ毎朝、日の出前に起床し、木崎浜でサーフィンを満喫してから職場に向かう。浜近くの自宅で妻と小学生の息子2人と暮らすが、「『べたべたするから海は嫌』と言われる」と日焼けした顔に苦笑いを浮かべた。41歳。

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