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宮崎地裁・家裁所長に就任した 阪本勝(さかもと・まさる)さん

2020年2月3日
 1996~99年に宮崎地家裁延岡支部に判事補、判事として赴任して以来、約20年ぶりの本県勤務となる。当時は任官して10年弱の中堅。民事、刑事、家事、少年とあらゆる事件を担当し経験を積んだ。「裁判官としての基礎が培われた3年間だった」

 そんな思い入れのある裁判所にトップとして戻った。「適正かつ迅速な紛争解決という役割を果たし、県民の期待と信頼に応えたい」と力を込める。

 東大法学部に在学中、司法が果たす役割を学び、「自分が社会に貢献できる」と思ったのが、法律家を志した原点だ。85(昭和60)年に司法試験に合格。司法修習生時代、”法の番人”として愚直に公正中立を貫く先輩の姿に「重責だが、やりがいがある」と実感し、裁判官を選んだ。

 88(同63)年の東京地裁判事補を振り出しに、最高裁調査官や東京地裁判事部総括などを歴任。主に民事事件を担当してきた。

 民事の大半は勝敗が決まるため、当事者双方を満足させる判決、和解案を出すのは難しい。だからこそ「判断に至るまでの手続きを地道に積み上げ、両者に提示することが重要」。裁判官としての信条は「一つとして同じ事件はない。すべてに真摯(しんし)に向き合う」。言葉の端々に誠実な人柄がにじむ。

 趣味は読書で、司馬遷の「史記」など歴史書を愛読する。着任から2カ月弱。「宮崎は気候も温暖で人も穏やか。時間が許せば、神話ゆかりの地を散策したい」。奈良県出身の56歳。神奈川県の自宅に家族を残し、宮崎市に単身赴任。

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