ホーム ひと

県警刑事部長に就任した 中川正純(なかがわ・まさすみ)さん

2020年3月30日
 犯人を必ず捕まえるという強い執念と、適正に証拠を分析する冷静な判断力―。経験豊富な指揮官は、刑事に求められる資質を、こう即答した。

 都城市に生まれ、宮崎市で育った。「世の中を正しく明るくしたい」と警察官を志し、1980(昭和55)年拝命。延岡署長や宮崎北署長などを歴任した。勤続40年のうち通算27年が刑事畑。知能犯捜査のエキスパートだ。

 捜査2課の特捜班長時代に担当した県官製談合・贈収賄事件が印象に残る。元知事や県幹部が逮捕された県政史上まれにみる事件。県警の総力を結集し、緻密な情報収集と内偵で癒着の構図を浮き彫りにした。「不正は必ず摘発するとの執念が実った事件だった」

 サンズイ(汚職)捜査には今も強い思い入れがある。「民主主義の腐敗につながる。社会の仕組みをただすため、眠る悪はしっかりえぐり出すべき」

 県内の刑法犯認知件数は減少傾向にあるが楽観はしていない。会員制交流サイト(SNS)を悪用した新たな犯罪が台頭。潜在化しやすい児童虐待やストーカーも増加傾向にある。前兆をしっかり捉え、重大事件に発展するか見極めることが大事とした上で「県民が安心して暮らせるよう、仕事を全うしたい」と力を込める。

 言葉の端々に強い正義感と実直さがにじむ。自己分析は「心配性」。「可能な限り完全を求めるため、抜けがないか場面場面で振り返ってしまう」。息抜きはお笑い番組や刑事ドラマを見ることで「結構、テレビっ子」。鋭い表情が少しほころんだ。宮崎市在住。58歳。

このほかの記事

過去の記事(月別)