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県弁護士会会長に就任した 成見暁子(なるみ・あきこ)さん

2020年4月29日
 「困っている人に寄り添い、一歩を踏み出すお手伝いをする」。県内の弁護士136人を率いる大役にも、大切にしてきたモットーは貫き通すつもりだ。

 就任早々、新型コロナウイルス感染拡大への対応という難題に直面。県内でも資金繰りの悪化などの相談が増えつつある。「非常事態だからこそ、弱い立場の人にしわ寄せが行きがち。必要な法的手続きの助言でサポートしたい」と柔和な表情を引き締める。

 宮崎市出身で、両親も弁護士。親からは一度も「弁護士になってほしい」と言われたことはない。それでもいつしか「法律という武器を使って誰かの役に立てる仕事」への思いが強くなっていった。

 大阪大法学部を卒業後、2001年から大阪の法律事務所に8年勤めた。10年に帰郷して県弁護士会に登録。過労死や雇用問題、離婚など家事事件を主に取り扱ってきた。

 人権や平和、民主主義の問題とも向き合い続ける。「弱い立場の人も含め一人一人が守られる社会」を目指し、「それを後退させるような国の動きには声を上げていく」と力強く語る。

 中学、高校では生徒会活動に没頭。駆け出しの弁護士時代は、憲法についての催しを仲間と企画、千人規模のホールを満員にした経験も。「多様な意見を大切にしながらもさばいて物事を決める。大変だけどやりがいがある」。先頭に立ち決断するのが会長の役割と自覚するが、「得意なのは実は裏方」と笑う。趣味は足つぼマッサージで、宮崎市に愛猫「まろ」と暮らす44歳。

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