ホーム ひと

県議会副議長になった 徳重忠夫(とくしげ・ただお)さん

2020年5月19日
 県議となって四半世紀が過ぎ、「集大成」と位置づける7期目。副議長として「県民目線の議論を忘れることなく、一生懸命に汗をかく。与えられた責務を果たしたい」と口元を引き締める。

 就任早々、新型コロナウイルス対策に追われる。県は総額93億円の本年度一般会計補正予算を組み、4月に異例の臨時議会を招集。「この1年は困難の連続になる。107万人の県民の不安を解消できるよう、議会も党派を超えて臨まないといけない」

 都城農業高を卒業後に就農したが、子育て真っ最中の28歳の時、保育園経営に転身。4歳年下の妻洋子さん(72)と通信教育で保育士などの資格を取得した。すると、保護者から子育て環境の厳しさを訴える声を聞くようになった。「市民の思いを行政に直接届けたい」。41歳で都城市議に当選し、政治家人生がスタートした。

 県議2期目の1999年、宮崎市のシーガイアを支援するため、県が60億円の基金を創設する案が浮上。巨額の公費拠出に議会は紛糾したが、商工建設常任委員長として調整役を担い、徹夜の審議の末に議案を可決した。「本県の観光再生に絶対に必要だった」と当時の思いを振り返る。

 ラグビー日本代表やプロサッカーチームの合宿地にもなっているシーガイア。今や本県のスポーツランド推進に欠かせず、「批判は大きかったが、結果として判断は間違っていなかった」。

 都城市の自宅では今も野菜作りに励む。「愛情を注いだ分だけ賢く育つ」。8人の孫の成長にも目を細める76歳。

このほかの記事

過去の記事(月別)