ホーム ひと

九州運輸局宮崎運輸支局長になった 中原禎弘(なかはら・よしひろ)さん

2020年6月7日
 「ふるさと宮崎に恩返しをしたい」。熱望がかない、本県出身者として初めて宮崎運輸支局のトップに就いた。業務は自動車関係の手続き、公共交通の維持、観光振興、災害対策など多岐にわたる。「県民が明るく元気で暮らせるよう職員と頑張りたい」と力強く抱負を語る。

 実家は都城市山之口町。都城泉ケ丘高を卒業後、北九州大(現・北九州市立大)に進学。1985(昭和60)年に九州運輸局に入り、鹿児島や長崎、福岡など各地を回り、本県勤務は3回目となる。

 幅広い業務に携わる中で記憶に強く残るのは、熊本地震の翌2017年に務めた同局観光企画課長時代の仕事。インバウンド(訪日外国人客)の呼び込み、クルーズ船客の消費拡大、宿泊施設のバリアフリー化などを後押しした。「宮崎は観光4条件といわれる『気候』『食』『自然』『文化』がそろう。歯をくいしばってコロナ禍を耐える観光業の復興を手伝い、バスやタクシーの需要喚起にもつなげたい」と自らの職責を直視する。

 一方では、災害対応も柱に据え、職員に高い危機意識を求めているという。大雨や台風などのシーズンを迎え、「いつ災害が起きるか分からない」。南海トラフ巨大地震への備えが急がれる中、発生時の物資輸送体制や支援拠点づくりなど、熊本地震から学んだノウハウを県内自治体に積極的に提供していく考えだ。

 趣味は散歩やドラマ、映画の鑑賞。「居酒屋で地元の芋焼酎を飲みながら地鶏の炭火焼きを食べるのが楽しみ」と笑う。宮崎市の官舎に単身赴任し、バスで通勤している。57歳。

このほかの記事

過去の記事(月別)