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県教育委員会で女性初の課長になった 松田律子(まつだ・りつこ)さん

2020年6月8日
 都城きりしま支援学校長から、県教育委員会特別支援教育課長に就いた。県教委では、女性として初めての課長。ただ、自身に気負いはなく「特別支援教育が注目されるチャンス」と自然体だ。「自立し、社会参加するのが子どもたちの目標。その実現に向け、現場で培ってきた経験を職員に伝えたい」

 県内の特別支援学校や学級に通う児童・生徒は10年前と比べ、約15%増加した。高まるニーズに対し、「専門的知識や経験のある教員が足りていない。学校や地域全体で子どもたちの特性を見極め、育てる体制づくりを進めていく」。

 小林市野尻町出身。小林高から、宮崎大教育学部に進んだ。足に障害がある父を見て育ち、特別支援教育を専攻。3年時、卒業後の進路で悩んだ。単身バングラデシュに飛び、1カ月滞在。「目を輝かせる現地の子どもたちを見て、教えることを生涯の仕事に決めた」

 初任地は清武養護学校(現清武せいりゅう支援学校)。当時、重度障害児への給食がなかったことに疑問を持ち、給食導入を上司に提案した。一蹴されたが、「子どもたちの成長の機会になる」と再三訴え、実現に結び付けた。

 新型コロナウイルス感染症対策では、校内を消毒の有無で区分け(ゾーニング)するなどして対応。「感染や重症化リスクが高い子どももいる。常に保護者らの不安に耳を傾けていきたい」

 料理した季節の山菜などを酒と一緒に楽しむのが気分転換。宮崎市清武町船引に夫と愛猫「ミルク」と暮らす。56歳。

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