ホーム ひと

「ドキュメンタリーフォトフェス宮崎」の事務局長を10年間務める 永友啓一郎(ながとも・けいいちろう)さん

2020年6月13日
 現実を写し出し、記録するドキュメンタリー写真。「正直、目を背けたくなるテーマも多い。目まぐるしく時代が変わる中、あえてそこにこだわって表現の可能性を模索してきた」と振り返る。

 宮崎市・県立美術館で14日まで開催中の「ドキュメンタリーフォトフェスティバル宮崎」。市民手作りの実行委員会に発足当初から携わってきた。写真家の芥川仁さん=宮崎市=から事務局長のバトンを引き継ぎ、第11回から10年間務めている。

 引き受けた当時はまだ現役の県職員だった。課長級として県議会対応に追われながらの運営で、初めの2年間は会場設営に加わることもできなかった。「片手間でできるものではないと思い知った。支えてくれたメンバーには感謝しかない」と口にする。

 20回の節目を迎えた今回のテーマは「みとり」。死生観や終末期の在り方が社会的な関心事となる中、自宅で最期を迎える温かな死に注目した作品が多く並ぶ。「ドキュメンタリーと聞くと身構えがちだが、死は誰しも避けられない身近なもの」と話し、「作者のメッセージを読み解く面白さを味わいながら、生き方を考えるきっかけにしてほしい」と願う。

 常にカメラを持ち歩くアマチュア写真家。日本大在学中、友人の父親のカメラを借りて、区間廃線が決まった都電を撮影したのが写真との出合い。写真のキャリアは約半世紀、開いた作品展は大小合わせて180回を数える。「歴だけは長くなった。写真は一生の道楽」と豪快に笑う。宮崎市在住、68歳。

このほかの記事

過去の記事(月別)