複雑化するサイバー犯罪に対抗するため、県警が初採用した専門分野特化の特別捜査官「サイバー犯罪捜査官」に就任し、捜査の第一線に立った。「さまざまな犯罪にインターネットが利用されている。捜査手法を磨き、被害者のため犯人を摘発したい」と使命感に燃えている。
国富町出身で佐土原高、茨城大を卒業後、東京都のIT企業でネットワークエンジニアとして5年間勤務。「宮崎に帰り、知識や経験を生かせる仕事がしたい」と県警の試験に臨んで昨年度採用され、警察学校などで基本を学び、今年3月にサイバー犯罪対策課の特別捜査班に配属された。
県警に寄せられるサイバー犯罪の相談件数は2019年までの5年間、年1459~2604件と高水準で推移。ウイルスソフトを利用した不正アクセス、ネットでのストーカー、児童を狙う犯罪など多岐にわたり、犯人のわずかな痕跡(ログ)を分析し証拠化、摘発する高度な技術力が欠かせない。橋本さんの採用で捜査員全体のレベル向上と、内部教育の充実が期待されている。
「慣れないことばかりで、まだまだ先輩に教えてもらいながら」と謙遜するが、特別捜査班として各署の応援に入り、さまざまな事件を担当。犯人の”足跡”をたどる貴重な戦力となっている。パソコンと向き合う日々の一方で、被害者との対話にも心を砕く。「被害に遭ったきっかけ、犯人の手口を知るには話を聴くことが大切」と語る。
趣味は休日のジョギング。魚釣りも好きで、「船でのジギングにも挑戦したい」と笑う。宮崎市で1人暮らし。31歳。