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警察庁長官警察功労章を受章した串間警察署刑事生活安全課長 二分利信(にぶんとしのぶ)さん

2014年3月10日
 警察人生36年のうち、刑事警察部門に28年。「市民の安全を守り、悪い人間は許さない」という信念を持ち、粘り強い捜査で困難な事件を数多く解決してきた。受章には、「目の前の事件に全力を尽くしてきたことが報われた」と顔をほころばせる。

 1977(昭和52)年に拝命。最初に刑事として配属されたのが宮崎北署。以来、延岡、西都署、県警本部などで殺人、強盗などを扱う1課畑を歩んだ。

 40代前半に解決したストーカー事件が心に残る。当時ストーカー規制法はなく捜査に手間取り、容疑者を特定するのに4、5年かかった。被害女性の「これで安心して眠れます」との感謝の言葉を聞いて胸をなで下ろすとともに、「もっと早く逮捕できなかったのか」と自問自答。事件後「自分の時間を削ってでも、犯罪で苦しんでいる人を助ける」という気持ちがより強くなったという。

 「仕事を休みたいと思ったことは一度もない」という情熱家は、培った捜査手法を後輩に伝える日々だ。現場での捜査を徹底させ「犯人の心理、犯罪の本質を見極める想像力を養え」と厳しく指導している。

 結婚後、8度転勤したが、妻ひとみさん(54)と3人の子どもは、すべての赴任先に付いてきてくれた。深夜に帰宅しても、ひとみさんは起きて待ち、子どもの寝顔を見て次の日の元気をもらっていたという。

 「仕事に理解を示してくれた家族にとても感謝している」と表情を緩める。趣味は家庭菜園と道の駅巡り。都城市出身。59歳。
(串間支局長・中野裕二)

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