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宮崎銀行で女性初の執行役員に就任した人事部長 岩滿美貴子(いわみつ・みきこ)さん

2020年7月10日
 内示を受けた瞬間、身震いを覚えた。「大変なことになった」。昨年、女性で初めて部長に登用されたばかりで、さらなる重責だが「女性だけでなく誰もが働きやすい環境づくりが、長年勤めた宮崎銀行への恩返し」と腹を決めた。

 宮崎商業高卒業後の1979(昭和54)年に入行。「5年ほどで結婚退職することを考えていた」が、周りの期待に応えようと、結婚・出産後も子育てと両立させた。2013年には花ケ島支店長(宮崎市)に抜てき。ほとんど経験のない法人営業は同僚に教えを乞いながら職責を果たした。この経験から「ひとりで抱え込まずに周りの手も借りよう」と、後輩に伝えている。

 同行が女性活躍推進を重点施策に打ち出し、旗振り役となり6年。支店長など管理職を目指す女性行員がいる一方で、能力は高いのに自己肯定感の低い行員も多いことが見えてきた。そんな行員には「仕事があなたを選んだ。『私は無理』と決めつけずに、失敗を恐れずに挑戦して」と背中を押すつもりだ。

 本年度スタートした女性活躍推進法に基づく3カ年行動計画では、男性行員の育児休業取得率を23・8%(19年度)から50%以上に引き上げることも掲げた。「男性ももっと当事者意識を持って子育てに関わってほしい。子育ては思うようにいかないことばかりだが、この経験は部下を育てる時にきっと生きてくる」と説く。

 コロナ渦で東京で働く長男(30)と「長く会えないのが寂しい」と母親の顔ものぞかせる。宮崎市出身、59歳。

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