高齢者の健康や生きがいづくり、地域貢献などを目的に活動する県内20のシルバー人材センターの県連合会トップに就いた。高齢者の割合が年々増加し、会員の高齢化も進む中、少しでも多くの人に就労機会を提供し、生活の質を向上できるよう心を砕く毎日だ。
目標に掲げるのは、新規会員の獲得と就労機会の拡大。男女別で、女性会員の割合は38%と低い水準にあり、「元気な女性も多い」と新たな活力の取り込みに意欲を示す。
1950(昭和25)年、新富町生まれ。高校まで同町で過ごし、関西学院大法学部に進学。学生運動が収束した直後で、まだ学生の間に社会をもっと良くしようという風潮が残る中で、行政法のゼミで学び、社会の仕組みに興味を抱いた。
大学を卒業後は「地元で働きたい」と宮崎市役所に入庁。総務や税理、福祉などさまざまな部門を経験した。最も印象に残る仕事は、49歳の時に介護保険制度の立ち上げに携わったこと。前例がなく、手探りの状態だったが、医療福祉関係者と調整を何度も行い、中身を詰めていった。
無事に運用が始まった際は大きな達成感を覚えたという。「明確な目標があれば、皆で力を合わせて達成できる」。経験に裏打ちされた言葉から、誠実な人柄がにじみ出る。
定年退職後も公民館館長などを務め、6月まで県連合会の副会長を担った。楽しみは年に4回、高校の同級生とプレーするゴルフで、「スコアを気にしながら、昔話に花を咲かせることが良い気分転換になる」。新富町に母と2人で暮らす。69歳。