県内26市町村の農業委員会や、JAなど農業団体で構成する県農業会議。県内の農地の有効利用を促進する役割を担う。同会議副会長を2年務め、会長に今年6月就任した。「農地を永続的に継承させ、農業の発展を支えていく」と意気込み、農業者の担い手確保や育成にも力を入れる考えだ。
県によると、県内の農地面積は今年2月時点で約6万6千ヘクタール。点在する農地の集約や耕作されていない遊休農地の解消などが求められ、「各農業委員会と連携し、地域の実情に応じて計画的に取り組みたい」と先を見据える。
元都城市職員。総務や教育委員会勤務が長く、「農業行政は未経験」。ただ、実家は市内の和牛繁殖農家で稲作も手掛け、幼少期から牛の世話や田植えなどを手伝っていたため、「農業は身近な存在」だった。
2003年3月、同市教育部長を最後に定年退職。地元地区の同市農業委員会委員に後継を頼まれ、「地域のために役立てることは何でもするつもりだった。迷わず引き受けた」。05年7月から同委員、13年1月からは同会長として、耕作放棄地の発生防止や農業者年金の加入促進に尽力した。
市役所時代にはバドミントンに熱中し、退職後には市バドミントン協会会長を務めたスポーツマン。体づくりのため、現在は早朝の散歩とラジオ体操に汗を流す。
同市の自宅で妻(70)と2人暮らし。コメや季節の野菜を育てながら、自給自足の生活を楽しむ。「畑とやる気があれば何でも作れます」。77歳。