1歳馬を調教し、未来の競走馬を育てるJRA宮崎育成牧場。G1優勝馬などの名馬を輩出した同牧場の場長に、1日付で就任した。現在22頭が訓練する施設だけでなく場外馬券売り場や乗馬体験、公園もあり、「ますます市民がくつろぎ、楽しめる場にしたい」と、市民に親しまれる施設を目指す。
東京都東久留米市出身で高校時代からの競馬マニア。「競馬好きの同級生とスポーツ新聞を広げ、血統でレースを見るのが面白かった」と当時を振り返る。一橋大学法学部卒業後、JRAに入り、憧れていた競馬界の門をたたいた。前任は千葉県の競馬学校で副校長を務め、騎手や厩舎(きゅうしゃ)スタッフ育成に携わり、今後の競馬界を背負う人材を送り出した。レースでは卒業生の活躍を楽しみに見守る。
「理屈抜き」と言い切る馬好きで「見ているだけで人間を癒やす力が馬にはある。宮崎育成牧場ではポニー馬車など、子どもから高齢者まで、馬と触れ合える環境整備をさらにすすめたい」とレース以外の魅力発信にも力を入れる構えだ。さらに近年人気が高まり、混雑する場外馬券売り場も来場者が快適に過ごせる改善点はないかも探る。
古墳や、神社仏閣を調べ歩くのが趣味で、読み古した古事記や神話、歴史書は付箋だらけ。「宮崎でも神話にゆかりある土地を回りたい」と意気揚々だ。昨年結婚したばかりの新婚で、場内の官舎に2人暮らし。その妻は競馬専門のフリーカメラマン。「たまには神楽の写真も撮ってもらいたい」と笑う。54歳。
(報道部・前田隆明)