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「みやにち 俵万智短歌賞」で最優秀賞に輝いた高鍋西中2年 黒木星馬(くろぎ・せいま)さん

2020年10月3日
 宮崎市の歌人、俵万智さんが審査員を務める「みやにち 俵万智短歌賞」に応募した〈友達と話せることの幸せを教えてくれた新型コロナ〉が、全1151首の頂点となる「俵万智賞」に選ばれた。俵さんが審査する本紙主催短歌賞で、学生の最優秀賞受賞は4回目にして初めてだ。

 短歌は学校の授業で作る程度で「得意教科は数学や理科で、受賞するとは思ってもいなかった」。部活動の硬式テニスで日焼けした顔がほころんだ。 受賞作は夏休みの課題で作った。新型コロナウイルスの影響で長期間会えずにいた大切な友人たちと、再び会えた喜びを詠んだ。

 小学生の頃から友人と遊ぶのが何よりも大好きで、サッカーなどに熱中する毎日。その大切な時間が、未知の感染症に奪われた。

 誰とも会えず過ごす日々が続き、あまりの寂しさに「何で生きているのだろう」とまで思い詰めたという。5月下旬に学校が再開し、待ち焦がれた”日常”が戻ってきた。

 「当たり前の日々がなくなって、実はとても大切な時間だったと気付かされた」。コロナ禍を経て友人と再会できた喜びを、短歌の31音に凝縮した。

 どの言葉を使えば伝えたい通りに思いを表現できるのか試行錯誤し、読み手の心にすっと響くよう、言葉の選び方や並びはリズムの良さにもこだわった。

 約1カ月前、部活動で自ら手を挙げて主将に就任。「後悔しない、今を全力で楽しむ生き方をしたいと思うようになったし、皆にもそうしてほしい」。歌に込めた思いを自らにも言い聞かせた。14歳。

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