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「第39回小村寿太郎侯顕彰弁論大会」の最優秀賞に選ばれた 菊池京子(きくち・きょうこ)さん

2020年10月21日
 「友達になりませんか。私たちは日本が大好きです」。昨年7月、都城市主催の訪問団事業の一環で訪れたモンゴル・ウランバートル市。交流会で出会った中国人の高校生が日本語で話し掛けてきた。コミュニケーション能力が高く、友好的。交流会のためにわざわざ日本語を勉強してきたと聞き、驚いた。

 日中間の外交摩擦、反日感情の高まり―。ニュースを通じて「自分勝手」と捉えていた中国人のイメージは一変。同時に、自分の中に「先入観と差別意識」があることを強く実感した。その時の経験を、新型コロナウイルス対策で今年は弁論を行わずに作文審査となった「小村寿太郎侯顕彰弁論大会」で発表し、最優秀賞に選ばれた。改めて自らの差別意識と向き合うことは苦しかったが、受け入れた今は「新しい自分になったよう」と晴れやかに笑う。

 国連の「世界人権宣言」採択から70年以上が経過し、多様性を尊重する時代。しかし、「今も世界中でさまざまな差別が存在する。それは解決すべき問題と分かっていても、自分とは無縁という意識が私たちの中にあるからでは」と訴える。差別によって誰一人として苦しまない世界をつくるために自分たちができることは、あの時の中国人高校生のように「お互いを知るために行動を起こすこと」とも感じている。

 都城泉ケ丘高2年。茶道部とユネスコ部を掛け持ちし、大好きなロックバンドの曲を聴くのが一番の息抜き。都城市内の実家で両親と弟、トイプードルの愛犬「ノンちゃん」と暮らす。16歳。

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