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宮日旗争奪学童野球で初優勝した木花少年野球クラブ監督 湯浅陛弘(ゆあさ・のりひろ)さん

2020年11月2日
 優勝の瞬間、喜びのあまり手に持っていたメガホンを地面に投げ付けた。ベンチで「おやじギャグ」を言って選手の緊張を緩める背番号30は「道具は大切にしろと指導している。誰も見ていなければいいけど」と屈託のない笑みを浮かべる。

 宮崎市出身。本郷小4年で野球に出合い、中学は投手や内野をこなした。「手に職をつけ、自立したい」と定時制高校を1年で中退。アルバイト生活後、建設会社に就職した。経験を積み33歳の2009年、建設現場の足場を組む会社を興した。

 息子2人が所属していた学園サンマリンのコーチとなり、15年に監督へ。「自営業ということで声が掛かった。練習を頑張った選手ほど成長する。その手伝いをすることが生きがいになった」。平日週3回、午後4時から練習に顔を出す。厳しい中に愛情のある指導で保護者の信頼をつかみ、木花ジャガーズと昨年合併してできた木花少年野球クラブの初代監督を託された。

 「努力は裏切らない」が信条。ヒットを打ちたかったら自宅で素振りするよう伝えている。チームを強くするには保護者の理解と協力が必要と考え「ノミニケーション」を大切にしてきた。この日は「盗塁できるときは狙え」と自主性を重んじる采配も奏功。保護者に胴上げされ、「こんな日が来るなんて。信じられない」と悦に入る。

 同市加江田に妻美佳さん(43)、長女苺(まい)さん(9)と3人暮らし。野球以外趣味はなく「次の目標は(21、22日にある)九州大会優勝。また保護者とおいしいお酒を飲みたい」。44歳。

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