中学3年生だった2年ほど前に書き始めた当初の日記は、1日3個の「いいこと」を箇条書きで記すというものだった。そのうちプラスとマイナスの両方を文章で書くようになり、今ではストレスをはき出す手段に。そして、日記に書き残した過去の自分を読み返すことは今の自分を良い方向に導く「処方箋」になっているという。
第23回みやざき文学賞で、この日記を題材に夏休みの課題として書き上げた「未来への処方箋」が随筆部門の1席に選ばれた。全部門通じて高校生初の1席という快挙はテレビのニュースで知ったという。「1席に選ばれたことにはあまり実感が湧かなかったけど『高校生初』はうれしかった」とはにかむ。
日記のテーマはさまざま。人間関係や進路の悩み、その日に興味を持ったニュースへの考えなどもつづる。忙しくて3行で終わる日もあれば、悔しいことがあった日には筆が進んで4千字以上の長文になることもあるという。中学ではバスケットボール部だったが、高校では勉強との両立のため百人一首部に入部。「負けず嫌いな性格なので、文化系の部活でも勝ち負けのあるものがいいと思った」のが理由だ。
文章を書くことは大好きだが、目指しているのは医師。日記という処方箋があれば乗り切っていけそうだ。「大人になればもっとストレスがあるだろうから、日記はこれからも書き続けていきたい」と笑顔を見せた。
都城市で両親と暮らし、都城泉ケ丘高理数科に通う。17歳。