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県警刑事部長に就いた 武田 久雄(たけだ・ひさお)さん

2014年3月30日
 「何者にもとらわれず、何者をも恐れない。法に従って悪に対峙(たいじ)して一歩たりとも退かない」-。都城署長、交通部長などを歴任し刑事部門トップに就き、警察官の誓いの言葉をあらためて胸に刻んだ。「悪に対して粘り強く、最後まで食い下がる。とにかく強い刑事警察でないといけない」。柔らかながら熱っぽい語り口が、真っすぐな人柄を際立たせる。

 1974(昭和49)年に巡査拝命し生活安全、交通、警務など幅広く歩んできた。「これまでも署長などの立場で捜査を指揮してきた。新たな気持ちだが、気負いはない」という。

 「被害者の思いに立ち、悪を殲滅(せんめつ)させる強い情熱を持とう」。着任あいさつでこう呼び掛けた。犯罪被害者支援室時代、娘を殺害された両親に心を寄せた経験に裏打ちされた信念であり、「被害者を思う気持ちが刑事には絶対必要だ」と力を込める。

 時代の変化で暴力団などが表に出ない社会となったが、「暗躍する本当の悪に捜査のメスを入れたい。今の社会的な構造を崩す事件にしっかり取り組む」とも述べた。

 いかに一人一人の能力を引き出すか。上司として心を砕くことはこれからも同じだ。厳しい事件に臨む部門だからこそ「明るい職場づくり」を皆で進めたいと考える。

 趣味は山登りで「次に登る山は決めている」。現職中はお預けだが、その日のために日課のウオーキング、ラジオ体操は欠かさないつもりだ。宮崎市内に妻と2人暮らし。58歳。串間市出身。

 (報道部・佐賀信行)

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