本県のブランド豚肉「宮崎ブランドポーク」を生産している。就農9年目、20代で手にした自身初の快挙に「何事も1番はうれしい。受賞は家族や行政、JAなど関係者の支えのおかげ。今後もおいしいお肉を消費者に届けていきたい」と力を込める。
えびの市出身。地元の飯野高を卒業後、「畜産経営を学びたい」と県立農業大学校(高鍋町)に進学した。実家の養豚を継ぐ決意を固めたのは2年時の1カ月研修。訪れた川南町の「宮崎第一ファーム」で、データをもとに生産性と品質の向上を両立させる取り組みを目の当たりにし「自分も挑戦したい」と胸が高鳴った。
同大学校卒業直後の2012年4月から、実家の養豚場経営を任された。当時は母豚35頭で繁殖を営んでいた。17年に現在の母豚100頭まで増やし、目標だった一貫経営をスタートした。
「基本に忠実」がモットー。餌の配合はもちろん、きれいな水を与えることや豚舎の小まめな清掃、温度や湿度の調整など豚が快適に過ごせるよう、飼育環境には常に気を配っている。「いつでも今回の共進会に出した豚肉と同じぐらいおいしい状態で出荷する」ため、ストイックに豚と向き合う。規模をさらに倍にするのが今の目標だ。
同市大明司で父、母と3人暮らし。自身が生産した豚肉は「焼き肉や豚キムチにして食べるのが好き」。仕事で忙しい日々が続くが、「時間をつくり、購入した新車でゆっくりドライブに行きたい」と目を輝かせる。28歳。