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「宮日世相まんが」の第31回年間賞で最優秀賞に輝いた 島田俊和(しまだ・としかず)さん

2020年12月13日
 新型コロナウイルスがまん延する世の中をマスク姿の国民が綱渡り。「自粛」と「経済」でバランスを取る姿がキラリと光った。

 「今の世の中、綱渡り状態だね」。全国的な感染拡大で緊急事態宣言が発令されていた5月、妻千佳子さん(54)との何げない会話から受賞作「バランス」を着想した。

 投稿を始めて12年で初めての最優秀賞受賞に、「喜びより驚きが大きかった。県民の心境をうまく表現できたのが良かったのかも」と声を弾ませた。

 実家は延岡市の看板店。幼少期から絵を描くのが好きで、小学生の頃に父からもらった漫画「鉄腕アトム」に感銘を受け、趣味で漫画を描き始めた。

 「宮日世相まんが」は愛読していたコーナー。初投稿から掲載され続けた。描いた絵を多くの読者に見てもらえる喜びを知り、病院事務の仕事の傍ら、「熱がある日も描き続けた」。投稿総数145点、掲載数は80点になる。

 熱中すると徹底してやり切る性格で、ガラステーブルと蛍光灯を組み合わせた自作の作業台で制作に励む。常に心掛けているのが「分かりやすくシンプルに」。受賞作もその点が評価された。

 ニュースの見方も変わった。社会情勢を注視し、政治家の発言や表情の「裏側」にも考えを巡らせるようになった。「ただ上手に描くのではなく、世の中への思いを表現できるのが『世相まんが』の面白さ」

 休日も絵を勉強し、「パステル画の講師になりたい」と夢を抱く。宮崎市桜町に妻、義母と3人暮らし。54歳。

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